中国や韓国には「中医師」「韓医師」という伝統医療に関する医師制度があります。彼らは伝統薬・鍼灸・推拿・導引などを勉強していてそれらを用いて人々の健康に寄与しています。かの国では漢方薬と鍼灸を一緒に扱うのはごく当たり前の事なのですね。
私は先に薬剤師の資格を取ったので、もともと漢方薬や原料になる薬草の勉強をしていました。江戸時代だったらさしずめ本草学といったところでしょうか。
あるとき、研究会で「黄帝内経」という古医書の話が出てきました。私は講師の先生に訊いて現代語訳の『黄帝内経「素問」』を読み始めました。素問は養生や治療の方針や原則・診断に関わることが書かれている本です。読んでいるうちに「漢方薬と鍼灸はもともと一緒にやっていたものなのだ」と思いましたので、その時勤めていた会社に交渉して鍼灸学校に願書を出しに行きました。
実はそれまでにも漢方薬の勉強をしている先生に何回か鍼灸学校に行くことを勧められていたのですが、お金も時間もかかることなので躊躇していたのです。
鍼灸の勉強をはじめてから、薬方への理解も深まったと感じています。
それらは是非社会に還元したい。
健康保険の利用は制約があってほとんどできませんが鍼灸と薬方の合わせ技で皆様の不調解消のお役に立てれば光栄です。